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松岡良明賞 土井原氏たたえる 乳がん治療で実績、岡山で贈呈式

松田理事長から松岡良明賞を贈呈される土井原氏(左)

 がん征圧月間(9月)に合わせ、がん撲滅に功績のあった個人、団体を顕彰する山陽新聞社会事業団の第26回「松岡良明賞」贈呈式が6日、岡山市北区柳町の山陽新聞社で行われ、岡山大病院(同鹿田町)乳腺・内分泌外科の土井原博義教授(65)をたたえた。

 事業団の松田正己理事長が表彰状と賞金100万円を手渡した。土井原氏は「長年の活動が認められ、うれしく思う。今後も手術指導などで若手を育成していくとともに、一人でも多くの人に検診を受けてもらえるよう啓発を続けていきたい」と述べた。

 土井原氏は乳がん治療の専門医として、2800例を超える手術に携わってきた。2011年からは、患部に専用の針を刺し、ラジオ波による高温でがんを死滅させ、乳房を温存する「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」を実施。症例を重ね、保険適用を目指している。

 乳がんの診断から治療、乳房再建まで担う、国立大病院では初の「乳がん治療・再建センター」のトップとして、患者のQOL(生活の質)向上に貢献。乳がん予防を啓発する「ピンクリボン岡山」の活動を展開し、検診受診率の向上に努めているほか、専門医の育成や中四国地方の若手医師の教育にも尽力している。

 松岡良明賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。その後、同社最高顧問の佐々木勝美氏、同相談役の越宗孝昌氏が各1千万円を寄託し、増額された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月06日 更新)

タグ: がん岡山大学病院

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