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ワクチン最前線「妊婦」 週数問わず接種推奨

 若年層を中心とした新型コロナウイルス感染の広がりに伴い、大きな社会問題となっているのが妊婦の感染だ。岡山県によると、県内でも急増しており、これまでに少なくとも59人(8月20日時点)の感染が確認されている。

 妊娠中、とりわけ妊娠後期の感染は重症化しやすいとされる。医療機関ではコロナと妊娠の両方に対応する必要があるため、受け入れ先がなかなか決まらないというケースが全国で報告されており、実際、千葉県柏市では8月、感染して自宅療養中だった妊婦が入院先が見つからないまま早産し、赤ちゃんが死亡してしまう事案が発生した。

 感染している間に医療機関で出産する場合については、多くは感染拡大防止の観点から自然分娩より短時間で済む帝王切開となり、産後も赤ちゃんとの対面や授乳ができなくなるという。

 日本産科婦人科学会などは8月、ワクチン接種が先行した海外での実績も踏まえ、妊娠週数を問わず接種を推奨するとの提言を公表。接種が胎児に悪影響を及ぼすとの報告はなく、未接種の妊婦と比べて流産や早産、異常分娩が起こる頻度も変わらないとして、妊婦やそのパートナーは接種を受けるよう呼び掛けている。

 柏市の事案を受け、国も希望する妊婦らができるだけ早く接種できるよう各市町村に協力を求めており、県内では岡山、津山市などが優先接種の対象に妊婦を追加。県も7日から川崎医科大総合医療センター(岡山市)に接種会場を設けるなど対応を取っている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月11日 更新)

タグ: 女性お産

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