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(5)先進的なICTの利活用で医療を支える 岡山旭東病院情報システム室室長 榊原祥裕

病院公式アプリ「旭東San」

榊原祥裕氏

 AI、IoT、DXなどさまざまなIT用語が聞かれるようになりましたが、病院も例外ではありません。当院では積極的にIT(ICT)を利活用して、患者さんのための医療を支えています。

 ・スマホのPHRアプリ「NOBORI」で自分の医療情報を閲覧可能に

 PHRとはPersonal Health Recordの略で、患者さんが自らの医療情報を収集して一元的に保存する仕組みを指します。

 NOBORIのアプリを登録して、一度だけ受付で本人確認の手続きをしていただきますと、検査結果、レントゲンやMRIなどの画像、お薬の情報などがいつでもスマホでご覧いただけます。外来予約があれば前日にお知らせもしてくれますので、受診忘れも防ぐことができます。最近では、コロナワクチン接種記録を登録する機能も登場しました。

 ・紙の問診票からタブレットによるAI問診へ

 当院では紙の問診票を全てなくして、タブレット端末を使ったAI問診を行っています。タブレット上でAIが症状に合わせて質問をしていきますので、それにタップして答えるだけで問診が終わります。スマホにも対応していますので、自宅で問診を済ませてから来院いただくことも可能です。

 ・病院公式アプリ「旭東San」をリリース

 外来での診察待ち状況もアプリで確認できますので、混雑する待合でお待ちいただく必要もありません。PHRアプリ「NOBORI」、AI問診なども「旭東San」からすぐにご利用いただけます。

 さらに、アート案内の機能も開発して、アートと医療の融合をコンセプトにしている当院自慢のアート作品の数々をアプリからお楽しみいただくことも可能です。アプリ内の院内マップに表示された作品番号とも連動する仕組みになっていますので、コロナが落ち着いたらスマホを片手に広い院内を散策してみてはいかがでしょうか。



 今年度から院内にIT推進センターを立ち上げ、医師、看護師など職種の壁を越えてアイデアを結集して、「病院DX」を推進しています。CIO(最高情報責任者)として将来を見据えたIT戦略を考え、実行するのが私の役割です。脳・神経・運動器疾患の専門病院として、地域の皆さまに良い医療を提供していけるように、先進的なITの力で支援していきたいと思います。

 病院公式アプリ「旭東San」は病院ホームページから簡単にご登録いただけます。来院いただいた際には、ぜひ「旭東San」を使ってみてください!



 岡山旭東病院(086―276―3231)

 さかきばら・よしひろ 徳島大学総合科学部卒業。富士通の医療担当SEを経て2003年より岡山旭東病院勤務。情報システム室室長。IT推進センターCIO。法人本部IT戦略室長。上級医療情報技師。岡山県医療情報技師会会長。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月20日 更新)

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