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岡山大学病院質問コーナー 広報誌「move on Vol.16」から

 岡山大学病院の医師や看護師らが、治療などに関する質問に答える。同病院の広報誌「move on Vol.16」(2021年9月発行)の転載。

「陽子線治療とはどんなものですか?」

 陽子線治療は放射線治療の一種です。中四国唯一の治療施設である津山中央病院と連携し、治療をしています。X線と違い、陽子線では狙った深さにエネルギーのピークがきた後に、ぴたりと止まります(図)。どちらが周囲組織へのダメージが少ないか容易に想像できますよね。保険適用があるのは小児腫瘍、一部の頭頚部がん、前立腺がん、骨軟部腫瘍ですが、先進医療として多くの疾患を治療可能です。特に小児腫瘍では後々の有害事象を低減できることから、選ばれることが増えています。陽子線治療が身近な選択肢として存在することを知っておいていただきたいと思います。(放射線科 吉尾浩太郎)

「がんのつらい痛みに対処する方法はありますか?」

 多くのがん患者さんは治療中にも痛みを感じており、痛みのために仕事や日常生活に困難を感じたり、気分がめいったり、十分な治療が受けられなくなる方もおられます。がんの痛みは我慢しないことが大切です。原因に応じて鎮痛剤、放射線、化学療法などで緩和することができます。お薬の中心となるのは医療用麻薬と呼ばれるものです。麻薬と聞くと「依存する」「最後に使う薬」などの怖い印象を持たれる方も多いですが、現在は種類も増え、医師の指示のもと適切に使用することで多くの方が痛みから解放され、日常生活やがん治療をストレスなくできるようになります。ぜひ緩和ケアチームへご相談ください。(緩和支持医療科 松岡順治)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月27日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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