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岡山大病院に遺伝性肉腫専門外来 全国初 複数診療科が連携、治療

岡山大病院

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は29日、遺伝性の悪性骨・軟部腫瘍(肉腫)の患者や発症リスクの高い人を診療する専門外来を開設したと発表した。同大によると専門外来の設置は全国で初めてという。脳神経外科や皮膚科などの診療科と連携し、体系的で効果的な治療や発症予防につなげる。

 親からの遺伝が要因となって発症する肉腫の国内の患者数は不明だが、さまざまな部位にがんが発生しやすくなる疾患。目や骨、筋肉、皮膚、内臓など複数箇所にがんができる患者もおり、多くの診療科が協力して治療することが望ましいが、十分な体制を整えている医療機関は少ない。

 専門外来は6日、整形外科内に開設。肉腫を専門とする中田英二講師が診察し、必要に応じて他の診療科と相談しながら治療方針を決定する。同大病院に在籍する認定遺伝カウンセラーとも連携し、患者の家族全体の健康管理に取り組むほか、医療費助成がスムーズに受けられるようサポートする。

 中田講師は「専門医が少ないことなどから『医療難民』に陥ってしまいやすい病気。早期に発見、治療する体制を整え、多くの方を救いたい」と話している。

 診療時間は毎週月曜日午後2時~3時。かかりつけ医を通じて予約する。問い合わせは、同大病院整形外科外来(086―235―7925)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年09月29日 更新)

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