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ワクチン接種で死者140人抑制 60代以上、岡山大院教授が推計

 新型コロナウイルスの流行第5波に関し、ワクチンの接種効果により岡山県内では60代以上の感染者を約1700人、同じく死者を約140人それぞれ抑制できた可能性がある―との推計を岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)がまとめた。頼藤教授は「ワクチンの効果が推計でも示された。接種していない人は検討してほしい」としている。

 第4波を3月15日~6月30日、第5波を7月1日~9月30日と設定。第5波ではワクチン未接種者が多かった20代の感染者は第4波の1・84倍に増えており、60代以上も同様の増加率だったと仮定して試算した。

 それによると、第5波の感染者は60代775・9人、70代766・7人、80代517・9人、90代以上191・7人の計2252・2人。一方、実際の感染者は計558人だったことから、ワクチン効果で計1694・2人の感染を抑制できたと結論付けた。

 死者は厚生労働省公表の7月7日時点の死亡率(60代1・4%、70代5・1%、80代以上14・2%)を当てはめた。試算上の死者は計150・7人となったのに対し、第5波の実際の死者は9人で、抑制効果は141・7人に上ったとした。

 県などがまとめた県内のワクチン接種率(2回目、25日時点)は、65歳以上は9割を超えているが、10代は41・79%、20代は57・12%、30代は58・58%と、若い世代ほど低い傾向にある。第6波到来の懸念も広がる中、頼藤教授は「若い人にも接種を考える参考にしてもらいたい」とする。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年10月29日 更新)

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