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4月からドクターカー独自運用 津山中央病院、地域医療強化へ

津山中央病院が新たに導入する乗用車タイプのドクターカー。4月から独自運用を始める

 岡山県北唯一の救命救急センターがある津山中央病院(津山市川崎)は、重症患者を処置する医師らを救急現場に迅速に運ぶ「ドクターカー」の独自運用を4月から始める。車両1台を導入し、これまで津山圏域消防組合との連携で救急救命士が行っていた移送を病院が自前で実施。出動エリアや運行日数を拡充して地域医療の強化につなげる。

 ドクターカーは救急通報で緊急に措置が必要な場合に出動。患者を収容した救急車とのドッキングポイントまで医師や看護師を運ぶことでいち早く治療を始め、病院への受け入れ準備も整えられる。

 病院は組合と連携し2005年から県内で唯一、常時稼働してきた。従来は組合が車両を所有し、救急救命士が病院に待機。通報に応じて医師を乗せて出動していたが、4月からは病院が専門のドライバーを確保して独自稼働する。

 年間の運用日数は平日185日から同約250日に拡大。管内(津山市、勝央、奈義、鏡野、美咲、久米南町)のみだった運用範囲は作州地域10市町村に拡大する。出動要請は現在の年約240件から500件程度に増えるとみている。

 導入した車両は5人乗りの乗用車タイプ。赤色灯やサイレンを装備し、必要な医療資機材も搭載する。救急医療の充実に役立ててもらおうと、高圧ガス販売などのツチダ産業(津山市一方)が寄贈した。

 大林英夫社長は「医療現場の外から手助けができれば。地域医療の充実に役立てて」と期待。林同輔院長は「救命救急センターの使命として、県北の救命率向上に尽力していく」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年01月07日 更新)

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