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岡山大病院 飛沫防止器具を開発 救急車内で使用 軽量で扱いやすい

岡山大学病院が開発したビニール製の飛沫防止器具

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は、新型コロナウイルス感染者の救急搬送時に使用する飛沫(ひまつ)防止器具を開発した。ビニール製のため、アクリル板の製品よりも軽量で扱いやすい。テストに協力した岡山市消防局などで既に使用されている。

 箱形をした器具の高さは56センチ、幅53センチ、奥行き46センチ。重さは約850グラム。側面に計4カ所の穴(直径約14センチ)があり、救急隊員が腕を差し込んで必要な処置を行う。天井には吸引機を入れる穴(約1センチ)があり、微細な飛沫の除去も可能な構造になっている。

 硬くて重いアクリル板の既製品はスペースが限られる救急車内での使用に不向き。今回開発した器具は柔らかく、自立させるための柱などの空気を抜けば、小さく折り畳むことができる。

 県内でコロナ禍が始まった2020年春から、岐阜県内の業者と開発に着手した。地元の岡山市消防局や救命講習などでつながりがある大阪府の泉州南広域消防本部の協力を得て、計300回以上の搬送テストを実施。2月上旬に完成した。

 県によると、コロナ感染者の搬送件数(速報値)は昨年12月はゼロだったが、1月は113件に急増している。設計に携わった同大病院救命救急科の塚原紘平助教は「オミクロン株の感染力は強い。救急隊員の感染リスクの低減につながれば」と話している。

 販売は消防局などに限る。問い合わせは、日本船舶薬品東京支店(03―5621―4131)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年02月15日 更新)

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