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発熱や倦怠感 2回目接種と同程度 県と岡山大 3回目副反応最終報告

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種後の副反応を調査していた岡山県と岡山大は、最終報告をまとめた。報告によると、副反応のうち「発熱」や「倦怠(けんたい)感」の出現割合は2回目とほぼ変わらなかったが、「接種部位の腫れ」や「寒気・悪寒」は2回目よりも高めに。いずれの副反応も接種から3日後にはほとんど落ち着いたという。身近な人に接種を勧めるかどうか尋ねた質問には、回答者の7割超が「勧める」としている。

 調査は、3回目に米ファイザー製を接種した県内5医療機関の医療従事者が対象。計2176人(うち7人は1、2回目に米モデルナ製を接種。他はファイザー製)が回答し、岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が分析した。

 主な副反応のうち、37・5度以上の「発熱」を訴えた人は38・0%で、2回目(37・5%)とほぼ同じ結果に。「倦怠感」も70・0%(2回目69・7%)と同程度となった。

 発熱を訴えた人を年代別に見ると、60歳以上が20・9%だったのに対し、30歳未満は53・6%と半数を超え、2回目までと同様に若い世代ほど割合が高くなる傾向にあった。性別では女性(41・4%)が男性(31・4%)を10ポイント上回った。

 ほかの副反応は、接種部位の腫れ41・6%(2回目29・4%)▽寒気・悪寒39・5%(同34・0%)▽痛み91・3%(同85・9%)―などだった。

 2回目の副反応よりも「重かった」とした回答者は39・1%。一方で「軽かった」も36・5%いた。71・4%は3回目接種を身近な人に勧めると回答し、「勧めない」は1・4%だった。

 ワクチンは2回目接種から時間が経過すると、効果が大きく低下することが分かっている。オミクロン株による感染拡大が続く中、頼藤教授は「3回目接種により発症や重症化の予防効果改善が見られる」とし、結果を「接種するかどうかの判断や接種準備の参考にしてほしい」とする。

 報告は、県や同大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野のホームページで公開している。3回目接種に関して県と同大は、1、2回目と異なるワクチンを打つ「交互接種」の副反応調査も進めており、公開を予定している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年02月19日 更新)

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