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(3)地域の方との支え合い 万成病院多機能型事業所ひまわり管理者 藤本直人

地域の課題を収集し、その解決策を考える「町づくり会議」=2019年10月、多機能型事業所ひまわり

町内会の廃品回収に参加=2022年3月、多機能型事業所ひまわりの敷地内

藤本直人氏

 ■地域との協働活動

 多機能型事業所ひまわり(岡山市北区谷万成)は、万成病院が運営している障害福祉サービス事業所です。十数年前から地域交流、地域貢献、地域協働とさまざまな目的での活動を展開してきました。

 地域との協働活動の始まりは、町内会の廃品回収や清掃活動に参加したことでした。活動を通して対面で地域の方とひまわり利用者、スタッフが接したことが、その後の活動が展開できた大きな好要因となりました。

 地域の活動に参加していくことで、少しずつお互いの印象に変化が見られていきました。現在では、「町づくり会議」「アート展」「家事代行サービス」等の協働活動に取り組んでいます。

 「町づくり会議」は、町内会長、地区担当の民生委員、ひまわりの利用者、ひまわりスタッフで運営しています。さまざまな地域課題に対して解決策となる協働活動を発信する場となっています。

 「アート展」は地域の公民館を会場とし、地域の方が持ち寄った作品の展示会を開催しました。作品を通じて地域の方が誰でも集える交流の場となりました。

 「家事代行サービス」は、地域の方のご自宅を訪問し、地域課題解消とともに、地域の担い手不足や障害者の就労促進の場にもなっています。

 ■自助を支える互助(地域で支え合う)

 ひまわり利用者の中には、これまでに自分の居場所が無く孤立した生活を送ってこられた方もいます。協働活動を通じて、地域の方とひまわりの利用者が接することで障害理解にもつながっています。ひまわり利用者にとっても、社会とつながる場の一つとなっています。

 地域の方とあいさつを交わすようになり、行事へのお誘いや、ゴミ捨てなどのルールも丁寧に教えてもらえました。地域の方の支えによって、ひまわりの利用者にとっても暮らしやすい町になっています。

 ■高齢者単身世帯が増える町

 日本は超高齢社会となり、どこの町でも高齢者の単身世帯が増えています。足元に不安のある老人も多く、近所づきあいも減っている中、新型コロナが直撃しました。コロナ禍で人との交流はさらに制限されているのが現在です。そんな中にあって、地域課題に取り組む利用者は地域にとっても必要な人になってきています。今後も感染予防に気を付けながら地域課題解消を目標に協働活動を展開し、地域とひまわりの声をお互いに届け合い、共に支え合える地域づくりを目指していきます。

     ◇

 万成病院(086―252―2261)

 ふじもと・なおと 2001年に万成病院に入職。08年から多機能型事業所ひまわりに勤務。社会福祉士、精神保健福祉士取得。山口県出身。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年03月21日 更新)

タグ: 精神疾患万成病院

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