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岡山大が医学資料室公開へ 4月から、種痘器具など106点

種痘に関する医療器具などが並ぶ岡山大の医学資料室

 岡山大は4月から、鹿田キャンパス(岡山市北区鹿田町)の医学資料室を一般公開する。明治初期の岡山藩医学館を起源とする同大医学部の歩みに関する106点を展示。公開に向けた改修工事が終わり、28日に式典を行った。

 資料室は1984年、鹿田会館(旧生化学棟)3階に資料保存のため設けられたが、公開はしていなかった。2020年の医学部創立150年の記念事業として行われた同会館の改修に合わせ、1階に常設展示室(52平方メートル)と企画展示室(26平方メートル)、収蔵庫(同)を設けた。

 展示品で目を引くのは、天然痘の種痘(ワクチン接種)の際、腕に刺して傷をつけて行う江戸時代の接種器具や、明治時代の顕微鏡など。医学部の前身・岡山医学専門学校の教授で、肝機能障害を引き起こす「日本住血吸虫」を発見した桂田富士郎(1867~1946年)が発表した論文の掲載誌も並ぶ。

 式典では医学部長を務める豊岡伸一・医学資料室長らが入り口の看板を除幕した。豊岡室長は「医学部の歴史を広く知ってもらうため公開を決めた。展示内容を充実させたい」と話した。

 見学などに関する問い合わせは、同大大学院医歯薬学総合研究科等総務課(086―235―7004)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年03月28日 更新)

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