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年中無休の小児科医院7月開院へ 岡山、医療センター名誉院長ら計画

7月の開院を目指し、準備を進める岡山医療センターの青山名誉院長=岡山市北区横井上

 岡山県内でも珍しい年中無休の小児科医院の開院準備が岡山市内で進んでいる。20年以上にわたり地域医療を担ってきた小児科医院が3月に閉院したことを受け、国立病院機構岡山医療センターの名誉院長らが計画。地域医療の灯を絶やさない―を合言葉に、7月1日のオープンを目指している。

 新医院は岡山市北区横井上の「青山こども岡山北クリニック」で、日曜・祝祭日に関係なく、365日診療を基本とする。同センターの青山興司名誉院長(79)に加え、元副院長ら40~60代の3人が常勤医となる。

 小児内科に加え、専門外来として小児外科・泌尿器科を置き、簡単な手術が行える設備を完備。新型コロナウイルスやインフルエンザといった感染症に対応できる隔離室も設けた。

 建物は3月に閉院した「さとう小児科医院」を再利用する。長年にわたり地域医療を支えてきた同医院は、地元だけでなく、岡山市外からも長年通う子育て家庭が多かったという。同医院の院長から一線を退くと聞いた青山名誉院長が「かかりつけ医がいなくなるのは影響が大きい」と土地や建物を購入。患者の利便性を高めるため、年中無休の診療を決めた。

 吉備中央町の女性(41)は、高校生から1歳までの子ども5人のかかりつけがさとう小児科医院だった。「近くに小児科がなく1時間かけ通っていた。病院が残るだけでなく、休日も対応してくれるのは親としてありがたい」と胸をなで下ろす。

 青山名誉院長は岡山大医学部を卒業後、国立岡山病院(現岡山医療センター)に勤務。2004年から同センター院長を6年務めた後、現在は年中無休の青山こどもクリニック(岡山市北区田中)を開いている。

 「クリニックを二つ経営することになり、80歳を目前に悩んだが、再開を望む患者らの後押しが決め手になった。日曜・祝祭日の診療を含め、患者本位の医療を心掛けたい」と話している。

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 青山こども岡山北クリニックの開院を前に見学会が開かれる。26日午前10時~午後3時で、問い合わせは青山こどもクリニック(086―246―3650)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年06月18日 更新)

タグ: 子供

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