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全国パーキンソン病友の会岡山県支部 矢谷宏美さん(57) 夫と二人三脚 活動支える

矢谷延一さんと宏美さん

 吉備高原を見渡す吉備中央町で暮らす矢谷宏美さん(57)は5月まで、7年間にわたって全国パーキンソン病友の会岡山県支部(会員60人)の事務局長を務めた。

 難病のパーキンソン病の症状は、手足の震えや筋肉のこわばり、動作がゆっくりになる、転びやすくなる、めまいや立ちくらみ、うつや不眠―などさまざまだ。根本的な治療法はなく、薬などで病気の進行を抑えながら生活の質を維持する治療が中心となる。難病情報センターのサイトによると、患者は千人に1~1・5人。高齢になると増え、60歳以上では100人に1人という。

 患者を支える県支部の活動は活発だ。年1回の総会や日帰り旅行をはじめ、毎月の例会、カラオケや卓球もある。会報は年4回発行し、2020年6月からはホームページも立ち上げた。会員や、パーキンソン病と診断されたばかりの人たちからは、さまざまな相談が寄せられる。

 国指定の難病のため、一定以上の症状がある人は助成制度の対象となる。県支部によると、医療機関ではそうした情報を得る機会は少なく、知らないまま高額な医療費を支払っていたケースもあったという。支部では国の制度や手続きについてもアドバイス。「何より同じ病気の人々がいて、悩みを打ち明け、分かり合えるのが一番のメリット」と矢谷さんは言う。

 支部長を務める夫の延一さん(68)と二人三脚で支部の活動を支えてきたが、数年前から病気が進行。多忙な事務局長からは引退し、今は顧問を引き受けている。先日は10月に予定しているバス旅行先の下見に夫婦で行ったという。

 矢谷さんは「パーキンソン病の患者にとっては日常生活の全てがリハビリ。きょう一日一日を前向きに暮らしてほしい」と話している。

 全国パーキンソン病友の会岡山県支部への問い合わせは事務局長の福島律子さん(090―8364―6632)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年07月04日 更新)

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