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感染急拡大「基本対策徹底を」 岡山大大学院 頼藤教授訴え

ワクチン接種や基本的な対策の徹底を呼び掛ける頼藤教授

 岡山県内の新型コロナウイルス感染者が過去最多を更新した21日、岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が取材に応じた。感染力の高いBA・5の特性に触れながら、重症化しやすい高齢者への広がりを懸念。基本的な感染対策の徹底を改めて訴える。

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 急拡大の要因としては、BA・5への置き換わりに加え、行動制限緩和に伴う人の移動の活発化▽ワクチン接種後の時間経過による感染・発症予防効果の低下▽エアコン使用時の不十分な換気―などがある。

 感染者の半数を占める20代以下が、ワクチンが行き届いていない世代であることも挙げられよう。

 BA・5は従来のオミクロン株と比較して重症化率こそ大差ないものの、感染力は高まっているとされる。さらには免疫をかいくぐる能力が高く、県内でも一度コロナに感染した人やワクチン接種者が感染するケースも出ている。

 夏休みに入り、旅行や帰省などで人の移動が増え、さらなる感染者の増加は避けて通れないだろう。重症化リスクの高い高齢者らへ広がっていくことが懸念される。

 対策として、ワクチン接種はもちろん、体調が悪い時は外出せず、会食はできるだけ短時間、少人数が望ましい。十分な換気や屋内でのマスク着用、手指消毒といった基本的な感染対策も重要だ。

 現時点では行動制限は必要ないと考えるが、今後、病床使用率が上昇し、発熱外来や救急搬送に支障が出てくるようになれば検討せざるを得ないだろう。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年07月21日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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