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IAEA協働センターに指定へ 岡山大中性子医療研究センター

岡山大鹿田キャンパス

 がんの新たな放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究に取り組む岡山大中性子医療研究センター(岡山市北区鹿田町)について、国際原子力機関(IAEA)の統括責任者は25日、IAEAとの共同研究や人材育成を担う「協働センター」に指定する意向を表明した。年内にも正式決定される見込みという。指定されれば、放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(広島市)などに次いで国内4機関目。

 岡山大側はIAEAと共同でBNCTに関する研究や技術開発、研修などの事業を進める予定。国際的な評価が高まり情報発信力の強化にもつながるという。この日、BNCTの会合出席のため同大を訪れた指定の統括責任者でIAEA原子力科学応用局のイアン・スウェインソン博士が「国際的な研究発展への貢献を期待したい」と指定する考えを述べた。

 同大は2016年にIAEAとBNCTに関する研究協力協定を結んでおり、今年5月に協働センター指定に名乗りを上げていた。国内では同協議会のほか、量子科学技術研究開発機構(千葉県)、日本原子力研究開発機構(茨城県)が指定を受けている。

 BNCTはがん細胞に集まる性質を持つホウ素製剤を患者に投与し、体外から中性子を照射することで、がん細胞だけを死滅させる。20年に頭頸部(けいぶ)がんを対象に保険適用が認められた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年07月26日 更新)

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