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ドクターカー更新へCF活用 倉敷中央病院、購入費募る

買い替え予定の心臓疾患患者向けドクターカー

 倉敷中央病院(倉敷市美和)は、医師らを救急現場に運ぶ心臓疾患患者用の「ドクターカー」を更新するため、車両購入費の一部をインターネットを通じて調達するクラウドファンディング(CF)で募っている。目標は1千万円で9月30日まで。来年3月末の稼働を目指す。同病院は「患者の危機に一刻も早く駆け付け治療に当たりたい」と協力を求めている。

 ドクターカーは車内に除細動器や人工呼吸器を装備し、到着時から治療ができる「病院前診療」に加え、転院搬送や災害医療でも使用。県西部のほか広島、香川、愛媛、島根県まで走行している。

 現在4台所有するうち、2005年に導入した心臓疾患患者向け救急車は、出動が7千件以上、走行距離も34万キロ超に達し、耐用年数が過ぎたと判断した。購入予定の車両は約1600万円で、第1目標としてCFでの寄付額を設定した。

 7月下旬、院内で記者会見した山形専院長は「20年春から新型コロナウイルス患者を積極的に受け入れているが、一般の入院・外来患者ともに減少し、財政は厳しい。公共性が高いドクターカーの更新に支援を」と話した。

 病院によると、新型コロナ感染拡大による受診控えのほか、コロナに感染した患者受け入れのため、手術や入院の予定を制限したことで、年間外来患者はコロナ禍前に比べ約5万人、入院患者も約4万人減少。国の補助金を反映した経常収支は黒字だが、高度医療のための設備投資を予定しており、CF活用に踏み切った。

 CFはインターネットの「倉敷中央病院 レディーフォー」から申し込む。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年08月06日 更新)

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