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松岡良明賞 津島氏の功績たたえる 腎臓がん部分切除術 岡山で贈呈式

松田理事長から松岡良明賞を贈呈される津島氏(左)

 がん征圧月間(9月)に合わせ、がん撲滅に貢献した個人、団体を顕彰する山陽新聞社会事業団の第27回「松岡良明賞」贈呈式が9日、岡山市北区柳町の山陽新聞社であり、国立病院機構岡山医療センター(同田益)の元副院長津島知靖氏(68)をたたえた。

 事業団の松田正己理事長が表彰状と賞金100万円を手渡した。泌尿器科専門医の津島氏は「名誉と伝統ある賞をいただき感激。県内には専門医がいない地域もある。今後も各地の施設で診療を続け、がんに苦しむ人を救えるよう力を尽くしたい」と述べた。

 津島氏は1990年代後半に、腎臓がんの患部だけを取り除き機能を温存させる「腎部分切除術」を開始し、これまでに約100件を実施してきた。

 同医療センター副院長には2014年に就任。研修医の育成に携わり、5年間で約70人を育てた。

 16年には日本緩和医療学会で、泌尿器科領域の緩和ケア手法をまとめたガイドライン作成を主導。血尿や頻尿、ぼうこうの痛みなどがん患者に生じやすい症状と対処法を示した。19年3月の定年退職後も、同医療センターや玉野市民病院などで外来診療、手術を続けている。

 松岡良明賞は山陽新聞社の元社長、故松岡良明氏の遺族から寄託された基金をもとに創設。その後、同社最高顧問の佐々木勝美氏、同相談役の越宗孝昌氏が各1千万円を寄託し、増額された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年09月09日 更新)

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