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3回目接種後発熱で抗体量急上昇 岡山大教授研究 1カ月後は差なし

岡山大鹿田キャンパス

 岡山大の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)らは、新型コロナウイルスワクチンの3回目接種による副反応で発熱した場合、体内で作られる抗体量が一時的に急上昇するとの研究結果をまとめた。発熱グループとそうでないグループを比較。ただ、抗体量がピークを迎える接種1カ月後には、同じ量になったことから「発症、重症化の予防効果に違いはみられない」としている。

 米モデルナ製ワクチンの3回目接種を受けた同大の教職員、学生のうち、20~60代の計41人を調べた。接種を境に複数回の採血を行って体内の抗体量を測り、37・5度以上を基準に、発熱した20人、発熱がなかった21人の2グループを解析した。

 熱が出なかったグループの1週間後の平均抗体量を100とすると、発熱グループの1週間後の数値は183で、約1・8倍の結果になった。発熱グループは20~40代が16人だったため、年代を考慮した解析をした結果、1カ月後の抗体量に大きな差はなかった。

 頼藤教授は「ワクチン接種後に『発熱した方が効果が高いのではないか』という疑問を否定する結果となった。今後の接種の参考にしてほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年09月30日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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