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1型糖尿病の三好紗衣子さん(26) ボディービルで夢に前進

自分の可能性を信じ、トレーニングに励む三好紗衣子さん

1型糖尿病の患者会「1―DreaM岡山」で体験談を発表する三好紗衣子さん=8月21日、岡山済生会総合病院

 1型糖尿病を発症して5年目となる団体職員三好紗衣子さん(26)=岡山市北区=には「夢」がある。ボディービル競技のビキニフィットネス部門の大会に出場し、メダルを獲得することだ。

 1型糖尿病はインスリンというホルモンを体内で作れず、血糖値のコントロールができなくなる病気だ。注射などでインスリン製剤を補給しなければ生命を維持できない。原因不明で、子どもや若者でも突然発症することがある。糖尿病の多くを占め、生活習慣や遺伝的な体質が原因で徐々に悪化する2型糖尿病とは異なるが、世間はひとくくりにしがちだ。誤解や偏見で傷付く患者は少なくない。

 そんな中でも頑張っている1型糖尿病のスポーツ選手は何人もいる。かつてボディービル競技の第一線で活躍し、今はトレーナーの仕事をしている丸山典子さんもその一人だ。

 「その美しい肉体と生き方がとっても格好良く、心ひかれた」と三好さん。自分も頑張ろうと、昨年12月からトレーニングを始めた。目標は来年7月の大会。今は増量期で、摂取カロリーを増やして栄養を蓄え、筋肉を太くしている。

 ただ、激しい運動をすれば血糖のコントロールは難しくなる。低血糖の症状で調子を崩し、落ち込むことも少なくない。そんな時に励ましてくれたのがトレーニング施設の仲間やSNS(交流サイト)でメッセージをくれる同じ病気の人々、そして家族だった。

 8月には、岡山済生会総合病院(岡山市北区国体町)で開かれた1型糖尿病の患者会「1―DreaM岡山」で、感謝の思いを込めて体験談を発表した。

 「私は病気になってつらい思いをたくさんしましたし、気持ちはいつもネガティブでした。でも丸山さんに出会って勇気とパワーをもらえたのです」「私が丸山さんから感じたように、同じ病気の方々や子どもたちにも勇気を与えられる存在になりたいのです」「思い通りにいかないこともありますが、自分の可能性を信じて頑張っています。1型糖尿病でも強く生きられる、できないことはない、ただひたすら前進するだけ、そう思っています」と語った。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年10月04日 更新)

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