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高度医療機器 診療所から円滑予約 アリオンシステム クラウド型開発

アリオンシステムが開発した高度医療機器のクラウド型予約システム

 IT業のアリオンシステム(岡山市北区柳町)は、中核病院の高度医療機器を使った検査を、地域の診療所などが円滑に予約できるクラウド型のシステムを開発した。地域連携により診療所などの患者を受け入れる中核病院に売り込む。サーバー型に比べて導入費を抑えられるといい、初年度に約20件の受注を目指す。

 中核病院は同システム上で、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)といった機器と、利用可能な日時を事前設定。他の医療機関が検査の種類や撮影部位を入力すると、利用できる日時がカレンダー形式で表示される。日時を選択して患者の情報を入力すれば予約が完了。患者が中核病院に持参する紹介状や予約表はその場で出力される。検査結果もシステムを通じて送受信できる。

 導入費は約20万円で、利用料は月5万5千円から。機器を予約する医療機関側の費用は不要。

 同社によると、医療機関同士のやり取りはファクスやメールが多く、予約完了まで時間がかかったり、多数の連携先を抱える中核病院は手続きが煩雑になったりする課題がある。同社はサーバー型の予約システム「ウェイト・レス」を開発し2010年に販売。導入に200万~300万円のコストがかかるため、初期投資が少なくて済むクラウド型も開発した。

 同社は「中核病院には高度医療機器の利用率を伸ばしたり、地域の診療所との連携を深めて患者の紹介を増やしたりすることで、収益を高められるメリットもある」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2022年12月09日 更新)

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