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花粉飛散量 例年の1.5~2倍か 医師は早めの受診、予防呼びかけ

みやはら耳鼻咽喉科で診察を受ける花粉症の患者

 岡山県内では花粉が飛散するシーズンが本格化した。日本気象協会(東京)によると、スギの花粉は既に飛んでおり、近く始まるとみられるヒノキとともにその飛散量は例年の1・5~2倍という。昨夏は気温が高く、少雨で日照時間が長いなど、花芽が多く育つ条件がそろった。ピークはスギが3月上中旬、ヒノキが3月下旬~4月上旬の見込み。耳鼻咽喉科の医師は早めの受診と予防を呼びかけている。

 「口を大きく開けてください」

 2月上旬、みやはら耳鼻咽喉科(岡山市南区福浜西町)の診察室。宮原孝和院長が花粉症を訴える患者の喉や鼻の粘膜の腫れを確認していた。

 宮原院長によると、患者が増え始めたのは1月中旬。「例年のスタートは2月上旬ごろ。今年は時期も早く、患者も多い」と言う。

 同協会は県内8カ所に設置しているガラス板で花粉の観測をしている。表面にワセリンを塗った板を屋外に置き、1平方センチ当たりの付着した花粉数をカウント。1個以上の花粉が付着した日が2日続いた場合、初日を飛散開始日としている。

 県内では、例年2月中旬~3月下旬のスギ花粉の飛散開始日は2月10日だった。ヒノキの飛散は例年3月中旬から5月上旬という。

 飛散量の予測は夏から秋にかけ、同協会職員らが山林に出向き、スギとヒノキの花芽を目視で確認。医院の受診状況といった情報なども加味して割り出している。

 2022年6~8月、岡山市中心部の平均気温は26・9度で平年よりも1・0度高かった。日照時間は571・8時間で、平年よりも45・3時間長かった。同協会は「花芽がよく育っており、1・5~2倍の飛散量となると予測した」とする。

 鼻や喉、目の粘膜に付着する花粉が原因で生じるアレルギー症状の「花粉症」。くしゃみや鼻づまり、目のかゆみ、全身の倦怠感(けんたいかん)といった症状が出ることが多い。国が2021年度に実施した調査によると、国内での花粉症の有病率は約39・0%。宮原院長は「飛散ピーク時は患者が増え、すぐに受診できないケースが発生する恐れがある。早めに医師に相談し、抗ヒスタミン薬の処方を受けるなど可能な対策をしてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年02月27日 更新)

タグ: 耳・鼻・のど

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