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コロナ禍3年 県内感染者49万人 第8波収束傾向も拡大懸念残る

 新型コロナウイルスの感染者が岡山県内で初確認されてから22日で3年。ウイルスは変異を重ねて猛威を振るい、県内の感染者数は計49万30人(21日時点)に上る。一方で現在の流行「第8波」は収束傾向で、国は13日からマスク着用を個人の判断に委ね、感染症法上の位置づけも5月に季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる。「ウィズコロナ」の動きが一層広がりそうだが、感染拡大の懸念は依然残る。

 「感染がこれほど長く続き、日常生活に影響を与えるとは思わなかった」

 伊原木隆太知事は今月17日の定例会見でコロナ禍の3年間を振り返った。県内でも病床逼迫(ひっぱく)を受け、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が各3回発令。県民は外出自粛など行動制限を余儀なくされ、地域経済に大きな影響を及ぼした。

 県内の第1波は2020年3月22日に1例目の感染者が岡山市で確認された1カ月後。欧州株による第2、3波と続いた後、21年4月以降の第4、5波はより感染力の強いアルファ株、デルタ株が中心となって、県内の累計感染者数は同年8月に1万人を超えた。

 オミクロン株が中心となった22年1月の第6波以降は感染拡大のペースがさらに加速。同株の派生型BA・5へ置き換わりが進んだ第7、8波では高齢者施設や医療機関でクラスター(感染者集団)が多発し12月に40万人と急増した。今年1月7日には1日当たりの感染者数が過去最多の5332人に上った。

 県は20年10月時点で281床だった専用病床を順次増やし、8波では最終的に624床とした。ただ、この間も、医師や看護師の感染で入院を減らさざるを得ない事態が生じ、一般患者の受け入れ制限など通常医療にもしわ寄せが及んだ。

 8波は感染者数が3月に入りおおむね100~200人で推移。「ワクチン接種と自然感染でオミクロン株の免疫を持つ人が増えた」(新型コロナウイルス感染症対策室)とみられる。

 マスク着用のルール緩和に「5類」引き下げとコロナ前の景色を取り戻す対応が進む。ただ、「感染拡大の恐れは今後もある」として県は624床の病床を当面維持する方針だ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年03月21日 更新)

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