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診療情報共有 晴れやかネット廃止 会員減で収支悪化 患者に影響なし

3月末で廃止された「晴れやかネット」

 岡山県内の病院や診療所がインターネットを介して電子カルテや検査画像などを共有する医療連携システム「晴れやかネット」が3月末で廃止された。採算の悪化が要因。加入施設は民間の既存の情報連携システムを活用し、これまで通り診療情報をやりとりする。

 晴れやかネットは、県、県医師会、県病院協会が設立した一般社団法人「医療ネットワーク岡山協議会」が2013年1月に運用をスタートした。ピーク時の17年度には約440施設が加入。入退院や転院などの際、電子カルテ、コンピューター断層撮影(CT)といった検査画像を公開したり、閲覧したりして治療に役立ててきた。

 導入当初は全国に先駆けた取り組みとして注目されたが、各加入施設が負担するシステム更新費が5年ごとに200万~500万円程度かかることなどがネックとなり、会員数はピーク時から3割減っていた。さらに、21年度からは財源の約5割を占める国の交付金(約7千万円)がカットされ収支が悪化。同年度は2800万円の赤字だった。

 同協議会は3月22日に臨時総会を開き、ネットの廃止と協議会の解散を決めた。

 県医師会の松山正春会長は「晴れやかネットが十分浸透しなかったのは残念だが、医療機関は引き続き診療情報を共有できるので混乱は小さく、患者にも影響はない」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年04月01日 更新)

タグ: 医療・話題

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