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肥満予防の大切さ訴え 岡山医療センター久保院長が絵本出版

本文を執筆した久保院長(右)とイラストを担当した二階堂医師

 子どもたちに肥満予防の大切さを知ってもらおうと、国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区田益)の久保俊英院長が、絵本「三平くん、食べるのだーい好き!」を出版した。大人が読む小児肥満の啓発本は出版されているが、子ども向けは珍しいという。簡潔な文章とかわいらしいイラストで、規則正しい生活を送るよう呼びかけている。

 絵本は縦横各18センチで計26ページ。小学3年生の三平君が鉄棒の逆上がりに挑戦するため、生活スタイルを見直していく過程を描いた。よくかんで食べる▽早寝早起き▽好き嫌いをなくす―といった肥満解消のポイントを盛り込み、楽しく学べるよう工夫している。

 本文を執筆した久保院長は岡山県内で唯一、小児肥満症専門医の資格を持つ。「太っている子どもの3分の1は大人になっても肥満」というデータがあることから、幼稚園児や小学生に向けた啓発本を作りたいと考えていたという。イラストは小児科医で元同僚のすくすくこどもクリニック(浅口市)の二階堂香織院長に依頼した。

 久保院長の研究費を活用して1000部作り、県内の図書館や小学校などに寄贈した。販売の予定はない。久保院長は「子どもの肥満の主な原因は栄養の取り過ぎと運動不足。絵本が行動を起こすきっかけになれば」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年04月03日 更新)

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