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季節外れのインフル感染相次ぐ 学級閉鎖や休校「冬に大流行も」

 A香港型インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真(米疾病対策センター提供)

 季節性インフルエンザの流行が今年は5月になっても続いている。学校で集団感染が相次ぎ、学級閉鎖や休校となった例も。新型コロナウイルスの感染対策で2020年末以降インフルエンザがはやらなかったため、多くの人の免疫が低下したことが原因とみられる。専門家は「今年の冬には大流行する恐れがある」と警戒を呼びかける。

 国立感染症研究所の集計では、全国の定点医療機関で1週間に報告されるインフルエンザの患者数は、昨年12月に流行開始の目安となる1定点当たり1人を3年ぶりに超えた。2月前半に12・91人でピークを迎えた後も下がりきらず、5月8~14日は1・36人と流行入りしたままだ。コロナ前の19年は同時期0・74人だった。

 慶応大の菅谷憲夫客員教授(感染症学)によると、新型コロナ流行後、マスクの装着や会食の減少でインフルエンザの感染者が激減した。今年の長引く流行は、集団免疫の低下と新型コロナの5類移行に伴う対策緩和が原因といい「夏でも海外からウイルスが持ち込まれれば、集団感染が起きる可能性がある」と指摘した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年05月25日 更新)

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