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清涼飲料水飲み過ぎ注意 血糖値上昇、意識障害も

福山市内のスーパーに並ぶペットボトルの清涼飲料水(本文と写真は関係ありません)

濱本博美医師

 福山市内でも蒸し暑い日が続く。冷えた清涼飲料水に手を伸ばす機会が夏本番に向けますます増える。ただ、過度に摂取すると急激に血糖値が上がって糖尿病症状を引き起こす「ペットボトル症候群」の危険性もある。糖尿病が専門の福山市民病院内科科長・濱本博美医師(45)に注意点を聞いた。

 同症候群の正しい病名は「清涼飲料水ケトーシス」。清涼飲料水に含まれるブドウ糖を中心とした単純糖質は吸収が早く、飲むと血糖値が上昇。のどが渇き、また飲んでしまう―という悪循環に陥りやすい。

 血糖値が上がることで、糖分の代謝を促すインスリンの動きが低下。糖分をエネルギーに活用できず、代わりに脂肪を分解する。その際に酸性物質が体にたまり、全身のだるさや急激な体重減少が出たり、重度になると意識障害が引き起こされる場合もあるという。

 濱本医師によると、清涼飲料水は平均約10%の糖質を含む。「5グラムのスティックシュガーに換算すると、1リットルの炭酸飲料水は20本、スポーツドリンクでも10本程度入っている計算。成人の1日の摂取目安量25グラムを大きく超える」と指摘する。カロリーオフ表示の商品についても、100ミリリットル当たり20キロカロリー以下では記載できることから、糖質ゼロではないと説明する。

 同病院でも年間数例の症例がある。患者は10〜40代で肥満気味の男性が目立ち、患者には缶コーヒーや炭酸飲料水を毎日1リットル以上飲み続けた男性=30代=もいた。

 濱本医師は「熱中症対策には塩分を補給し、糖分を含まない水やお茶で水分補給を。甘い飲み物を飲みたいときもあるだろうが、体のことを考えれば量はできるだけ控えてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年07月16日 更新)

タグ: 糖尿病

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