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妊婦さん、子育て中のママへ 治療法や日常生活での注意点解説

竹馬彰理事長

「いぼ痔」ってなぁに? ~内痔核~編

 肛門の病気のNO.1は何と言っても「いぼ痔」です。いぼ痔には大きく分けて「内痔核」と「外痔核」があります。今回は内痔核についてお話します。

 内痔核は直腸と肛門の境にできる静脈のこぶです。(これを静脈瘤といいます)。

 主な症状は「出血」「脱出」「痛み」「腫れ」です。

 内痔核は排便の時間が長い人、長時間同じ姿勢をとることが多い人、重いものを持ち上げる作業などをよくする人におこりやすいのです。

 最初はあまり症状は出ませんが、次第に大きくなって出血したり、排便時に肛門の外に脱出してきたりします。脱出もひどくなってくると排便のたびどころか、歩くだけで出てきたりします。こうなってくると気になるし、気持ち悪いし、……でチクバ外科の門をたたくことになります。

 脱出の具合で第Ⅰ度から、第Ⅳ度までに分類します。

 第Ⅰ度はまだ静脈瘤ができただけで、痛みや脱出はありません。排便のときに痛みがなくて出血するだけならこの段階のいぼ痔が考えられます。

 第Ⅱ度は、静脈のこぶが大きくなってきて、そのこぶを支えている「スジ」が少し緩んできた状態です。この状態だと、きばったときに少し脱出するのがわかる場合もありますが、病院にこられる場合の主な症状は出血です。痛みはないことが多いです。出血が多いときには治療が必要です。

 1週間以上出血が続く場合にはぜひ診察を受けてください。いぼ痔という思い込みは禁物ですよ。

 第Ⅲ度はもっと静脈瘤が大きくなってきて、排便のたびに肛門の外に脱出してきます。排便後におしりを触るとやわらかい「肉の塊」が肛門の外に出てきてる、こんな感じです。こうなってくると脱出時に軽い痛みを伴ってくる場合も多くなってきます。

 日常生活も次第に不便になってきます。「そろそろ治療しないといけないかな」と思う方が増えてくるのもこの状態です。手術するのが一番確実な治療法です。

 さて、第Ⅳ度。これは常に内痔核が肛門の外に出ていて指で肛門内に入れようとしても入らない、もしくはすぐ出てしまう状態です。この場合には外痔核を伴っていることが多いのですが、おしりを患っていらっしゃる患者さんにそんなこと関係ありませんよね。

 でも、常に下着は粘液で汚れるし、おしりの周りは湿っているし、多分相当日常生活で困っているはずです。こうなったらあきらめましょう。

 手術をしたらすっきりします。でも、手術するのが不安だし、怖いからこうなるまで病院に行けなかったんですよね。でも大丈夫。専門医にお任せください。(チクバ外科・胃腸科・肛門科病院 竹馬彰理事長)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年10月26日 更新)

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