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専従で院内感染防ぐため活動 感染管理認定看護師の役割

感染管理認定看護師
國米 由美

 感染管理認定看護師として専従で院内感染制御のために活動しています。医師・薬剤師・検査技師・事務・看護師からなる感染対策委員会、実働部隊である感染対策チームのメンバーと共に院内感染対策のマニュアル作りや、現場への指導・相談、ファシリティ・マネジメント(施設や環境のマネジメント)、サーベイランス(調査)を行います。感染リンクナース(専門チームと病棟看護師をつなぐ役割を持つ看護師)とは週1回ラウンドを行い院内の環境や手洗いの実際などを確認しています。

 入院中の患者さんは、自己免疫不全の方もおられ、感染症に罹りやすくなっています。インフルエンザやノロウィルスなど流行りの感染症に罹らないように、また耐性菌が院内で広がらないように日頃から予防をしています。手術後の患者さんは手術関連感染症がないか、中心静脈カテーテルや尿道留置カテーテルなど体内に異物を挿入している患者さんへは、挿入口から感染しやすくなるのできちんと管理されているか確認します。また、院内の感染症の統計を取り厚生労働省へ報告し、その結果を元に感染対策を行います。当院には、感染症病棟があります。

 麻疹やMERSなど感染力の強い感染症患者さんは感染症病棟の陰圧の病室(内部の圧力が外部より低い病室)に入院していただき、菌が外に出ないようにします。逆に、手術室は陽圧(内部の圧力が外気圧よりも高い状態)になっており、外へ空気が流れ、手術中菌による汚染がないように設計されています。

 職員に対しての取り組みは、事務も含めて医療従事者など全職員の麻疹・風疹・流行性耳下腺炎・水痘の抗体を調べ、抗体の少ない職員にはワクチンを接種し院内感染しないように予防をしています。また、来年から入職する職員に対しては、事前に抗体検査をし勤務中に感染しないよう対策する予定です。

 外来患者さんで、直前に海外渡航歴があったり、家族がインフルエンザにかかっており、自分も少し風邪のようだと思われ受診される場合は事前に一度病院へ連絡をしていただいてから受診されることをオススメします。お見舞いもご自身の体調が悪い場合は、見合わせるなどの配慮をしていただければ患者さんの院内感染リスクが低くなります。感染は接触感染が70%ほどと言われています。消毒用アルコールを塗布することで菌が3000分の1に減少します。病室や廊下などに消毒用アルコールが設置してありますので、手指消毒をしっかり行い、院内感染対策にご協力いただければと思います。

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※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月27日 更新)

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