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プロフェッショナル 岡山済生会総合病院院長 山本和秀

 プロフェッショナルを辞書で引くと、「それを職業として行うさま、またはその人」と書いてあります。プロフェッショナルといえばすぐにプロスポーツ選手を思い浮かべますが、この定義からいえば、全ての職業についている人はプロフェッショナルといえます。私は全ての職において、その仕事に誇りを持ち、より完璧な内容を目指して努力している人は、プロフェッショナルであると思います。

 私は約30年前に、カナダで3年間過ごしたことがあります。カナダは多民族国家であり、多くの人種の人々と過ごす機会がありました。世界中から移住してきている人々と接すると、その国民性や気質がそれぞれ異なることがよく分かります。その中で、日本人はやはり特有の気質があるように思われます。それは、勤勉さ、手抜きをしない姿勢、職人気質などで表現されるような気質です。この点からも日本人はプロフェッショナル向きの気質をしているのではないかと思っています。

 ところが最近、日本においてプロフェッショナルを疑うような事件が続いています。耐震ゴムの偽装、マンションの基礎くいのデータ偽装、ツアーバスの運転事故など、かつての日本人らしくないことが起こっています。私が勤務する病院では、医師や看護師のみならず、薬剤師さん、給食の人、事務の人、リハビリテーションを指導する人、案内係の人、清掃担当の人など多くの仕事で成り立っています。その全ての職種の方が、プロフェッショナル意識を持って仕事をすることで、病院全体がうまく運営されるものと思っています。

 病院に限らずどの職場においても、自分の仕事にプライドを持ち、より完璧な仕事をしようとするプロフェッショナル精神は日本人の得意とするところであり、皆さん、その道を極めてほしいと思います。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年03月03日 更新)

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