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診療放射線技師の仕事 正確に画像提供と照射

放射線技術部主任リーダー
綱澤 勝之

陽子線照射室

放射線MRI検査

 診療放射線技師の仕事は、医師の指示のもと、放射線を照射して検査・治療を行うことです。放射線は正しく利用しないと人体に害を及ぼす危険性があるため、放射線の専門家である診療放射線技師と医師しか人体に放射線を照射してはいけません。

 診療業務は、大きく分けて、画像検査、放射線治療があり、これらは直接患者さんと関わる仕事です。画像検査では、放射線の専門知識を生かし、「目的の病態を分かりやすく画像として提供するには?」という問いを意識しながら撮影機器の撮影条件・性能・機能を駆使して検査をします。種類は、X線撮影(レントゲン)、X線CT検査、血管造影検査、核医学検査などがあります。目的の病巣を画像として提供する以外にも、撮影時、患者さんにとって負担が少なく、放射線被ばくが必要以上に無いことが求められます。また、放射線を照射しない検査(MRI・超音波)も診療放射線技師が行います。

 これらの装置が、いつも正確な画像が提供できるように定期的に行う点検・品質管理や放射線を安全に管理しながら検査していくのも診療放射線技師の重要な役割です。放射線治療が悪性腫瘍の治癒に大きく効果をもたらすかどうかは、がん病巣範囲を正確に決めること、病巣範囲に間違いなく照準を合わせて正確な線量を投与できるかにかかっています。前者は医師、後者が診療放射線技師の役割となり大きな責任があります。
 
 今回、がん陽子線治療センター開設にあたり、新しく導入された陽子線治療装置・リニアック(IMRT)・治療計画装置等のコミッショニングも診療放射線技師・品質管理士・医学物理士で行っています。コミッショニングとは、ビームデータなど装置の利用に必要なデータの取得、計画装置への入力、登録データ確認などを行う一連の作業行程、と説明されます。実際の臨床で使用することを想定し、装置が持つ機能の動作と精度を再確認することで、装置の問題点・使用上の注意点を浮き彫りにします。不適切な臨床使用を防ぐために重要です。また、装置導入時に全ての臨床使用を想定するのは限界があり、コミッショニングには終わりはありません。臨床開始した後も特殊な照射などの場合、柔軟に対応してコミッショニングを実施することになります。

 診療放射線技師は「よい画像を提供できたとき」「最新医療機器や技術の変化に対応する面白さ」などにやりがいがあると思います。診療放射線技師は専門性の高い仕事であると同時に、特別な勉強をしてきた人にしかできない仕事です。自分の努力次第でステップアップし、誇りを持って働けることも、診療放射線技師のやりがいのひとつだと思います。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年06月22日 更新)

タグ: がん津山中央病院

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