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妊婦健診広がる無料化 岡山県内 25市町村が5回以上 鏡野町最多14回 岡山、倉敷市は2回

岡山県内の市町村が母子手帳とともに交付する妊婦健診の無料券(見本)

 胎児や母親の健康状態を診る妊婦健診で二〇〇八年度、超音波検査を含む受診料を五回以上、完全無料にする岡山県内の自治体が二十七市町村のうち二十五市町村に上ることが十八日までに分かった。少子化対策を進める国の方針を受けた措置だが、県内の妊婦の約六割を占めるとされる岡山、倉敷市は財政的な理由などで二回にとどまっている。
 妊婦健診は厚生労働省が昨年一月、最低限必要な健診を五回とし、各都道府県に市町村への徹底を通知。予算措置として地方交付税を増額したが、使い道が特定されない一般財源に組み込まれるため、市町村の財政事情などで対応に差が出ている。

 無料化で最多は鏡野町の十四回。「子育てをしやすい環境を整えることで若者の定住促進につながれば」(同町)と本年度の五回から引き上げる。次いで美咲町と西粟倉村の十回。

 市部では、津山、高梁、赤磐市が二回から五回、新見市は三回から五回に増やす。

 一方、新年度の対象者(推計)が約六千五百人と最多の岡山市は、無料は二回で変わらないが、新たに超音波検査を除く費用を三回分補助することにし、当初予算案に本年度の倍となる約二億円を計上した。超音波検査は厚労省が示した検査項目には含まれていないが、県内では県医師会の意見を踏まえて項目に加えている。

 同市の補助の場合、全額自費(約六千五百円)のほぼ半分となる三千円程度の自己負担が必要となるが、「五回すべて無料にすると約一億円の追加負担が必要となり、財政的に難しい」と市保健管理課。

 昨年十月に無料化を二回から五回に広げた倉敷市(対象者約四千三百人=推計)も、岡山市と同じく無料は二回とし、三回は超音波検査を除いて補助する。「新年度から健診の項目が増えて一人当たりの費用が増えるため、やむを得ない。五回分の公費負担という国の方針には沿っている」(市保健所)と説明する。

 こうした県内市町村の対応について、日本産婦人科医会岡山県支部の丹羽国泰支部長は「妊婦健診に超音波検査は欠かせない。どこに住んでも最低五回は無料で受けられるのが望ましい」と話している。


ズーム

 妊婦健診 胎児や母親の健康状態を診断するために行われる。出産までに望ましいとされる回数は14回程度だが、その場合は自己負担は約10万円に上り、経済的な理由で受診しない妊婦もいるため、厚生労働省が市町村に公費負担の拡大を求めた。岡山県内では居住地の市町村に妊娠を届け出ると、母子手帳とともに健診の無料券または補助券が交付される。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年03月19日 更新)

タグ: 健康女性医療・話題

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