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生活習慣病予防へ禁煙や運動、食事の見直しを 西大寺病院が公開講座

小林直哉氏

井久保卯氏

足立吉陽氏

森恵子氏

新倫昌氏

 岡山西大寺病院(岡山市東区金岡東町)の市民公開講座「やりましょう! ハンパない予防、生活習慣病」が10月13日、西大寺緑花公園・百花プラザ多目的ホール(同西大寺南)で開かれた。同病院と、連携する岡山ろうさい病院(同市南区築港緑町)の医師らが講師を務め、健康長寿を目指す生活習慣病の予防対策を解説した。

 生活習慣病は食事、運動、喫煙、飲酒などさまざまな生活習慣によって引き起こされる病気の総称。糖尿病や高血圧、脂質異常症、心疾患、脳卒中、がんなどが含まれる。

 岡山西大寺病院の小林直哉理事長は「生活習慣を見直すことでこれらの病気の発症や進行を予防できる」と強調した。具体的には、禁煙の徹底と受動喫煙の防止▽飲酒はほどほどに▽バランスの取れた食生活▽適度な運動▽ウイルスや細菌の感染予防▽定期健診を受け、かかりつけ医を受診する―という6項目の実践を挙げた。

 同病院の井久保卯副院長は高血圧を取り上げた。米国では昨秋、高血圧の診断基準が「収縮期130以上、拡張期80以上」に改定された。「収縮期140以上、拡張期90以上」とする日本より厳しくなっており、「日本では“血圧が少し高め”という段階の人も、脳卒中や心臓発作を起こす危険があることを示している」と警告した。

 生活習慣の改善により、最大10程度血圧を下げる効果が期待できるとして、「食生活の見直しや禁煙に取り組んでほしい」と呼び掛けた。

 岡山ろうさい病院の足立吉陽・脳卒中センター長は、脳卒中と食事をテーマに話した。最大の危険因子はやはり高血圧。「高血圧は食事の減塩とカロリーコントロールで改善できる」「3食バランスよく食べる人ほど脳卒中による死亡リスクが低い」と指摘した。

 家庭でできる対策として、毎日、血圧と体重を測定し、記録することもアドバイスした。

 食事のバランスに関しては、同病院の森恵子・栄養管理室長が説明した。肉、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品、緑黄色野菜、海藻類、芋、果物、油を使った料理―の10食品群が大切で、毎日、10品目を欠かさず食べることを勧めた。

 同病院の新倫昌・言語聴覚士は、食事がうまく飲み込めない嚥下(えんげ)障害が生活習慣病の悪化につながる危険性を訴えた。嚥下障害の有無を確認する「嚥下内視鏡検査」では、鼻の穴から細い内視鏡を挿入して食べ物を飲み込む様子を観察する。予防のためには「虫歯治療や入れ歯の調整などを通じ、口の中の環境を整えることが大切」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2018年11月19日 更新)

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