脳を活性化「臨床美術」普及へ 岡山で介護福祉士ら活動本格化

親子連れらが鬼の面を制作したワークショップ=1月26日

 芸術を通じて脳の活性化を図るアートセラピーの一種「臨床美術」に取り組む岡山、倉敷市の介護福祉士らが「せとうみ臨床美術の会」を立ち上げた。岡山市内でワークショップを定期開催するなど、手法の普及や知名度向上に向けて活動を本格化させている。

 臨床美術は絵やオブジェ作りを楽しみながら、モチーフの果物や野菜を味わったり、過去の体験を思い出す過程を取り入れたりして脳を刺激する手法。高齢者の認知症予防や子どもの豊かな感性の育成のほか、ストレス緩和などの効果が期待できるとされている。

 1月26日、人と科学の未来館サイピア(岡山市北区伊島町)で開いたワークショップには、親子ら約20人が参加した。会員が講師となり、子どもたちが鬼の面作りに挑戦。講師は発想を引き出そうと「鬼ってどんな顔かな」などと声を掛け、最後は全員で鑑賞会。「目に力がある」「色が爽やか」などと各自の作品のよかった点が紹介された。

 民間資格の臨床美術士を持っており、病院や福祉施設で実践してきた岡崎寿子さん(63)が呼び掛け、昨年9月に介護福祉士ら13人で結成した。月1回程度のペースでワークショップを開き、2カ月に1回は指導力アップを目指し勉強会を行っている。

 今後は作品展の開催を予定するほか、西日本豪雨で被災した人のストレス緩和にも役立てようと計画。倉敷市真備町地区でワークショップを行う準備を進めている。岡崎さんは「臨床美術を多くの人に知ってもらい、体験できる場も増やしたい」と話す。

 今後のワークショップは9日午前10時~正午と午後1時~3時に予定。参加費700円で、各回定員20人。問い合わせ、申し込みはサイピア(086―251―9752)。

(2019年02月04日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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