津山中央病院が県北初のダヴィンチ導入 当面は「前立腺がん」対象

ダヴィンチ手術では執刀医はコンソール(左)の前に座り3次元画像を見ながらロボットのアームを操作する

6日に行われた津山中央病院初のダヴィンチ手術。当面前立腺がんを対象に症例を積み重ねる

ダヴィンチ導入のメリットなどを説明する林同輔院長

 津山中央病院(津山市川崎)は岡山県北の医療機関で初めて、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入し、6日に第一例の前立腺がん手術を行った。今秋には専用手術室が稼働し、手術数を増やしていく。

 ダヴィンチを使った手術では、執刀医は手術台から離れた場所にあるコンソールに映し出される鮮明な3次元画像を見て、ロボットアームの先に付いた手術器具や内視鏡カメラを遠隔操作する。アームは人間の手よりも繊細な動きが可能で、手ぶれもない。傷の小さい低侵襲の手術がより安全にできる。立ち続けなくてよい執刀医の負担も軽減される。

 最初のダヴィンチ手術は前立腺がんの患者に対し、全摘手術を行った。操作訓練を重ねた泌尿器科の弓狩一晃医師らのチームが担当し、トラブルもなく、順調に終わった。

 現在は手術ごとにダヴィンチを既存の手術室に運び込み、準備しているが、9月には専用手術室が稼働する予定。血管造影検査装置を備えたハイブリッド手術室など4室の手術室を新築しており、その1室を充てる。

 ダヴィンチ手術の保険適用は、2012年4月に前立腺がんが認められて以降、腎臓がんや胃がん、直腸がん、肺がんなどにも拡大された。県内では同病院を含む6施設が導入している。同病院は当面、前立腺がんを対象とし、将来的に胃がん、直腸がんへの導入も検討していく。

 手術開始前の2月下旬、お披露目のデモンストレーションを行い、患者や市民らが動作を見学し、操作も体験した。本体から2メートル前後離れたコンソールをのぞいて手元のコントローラーを動かすと、アームの鉗子(かんし)が直径数ミリの輪っかをつまんで移動させ、ロボットの繊細な動作に驚きの声が上がっていた。

 同病院は前立腺がんに関して、切らずに病巣をピンポイントで攻撃する陽子線治療にも力を入れている。林同輔院長は「患者さんが切除を希望するかどうかやがんの病期も踏まえ、ダヴィンチ手術、陽子線治療など最適な治療を提供したい」と話している。

(2019年03月18日 更新)

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