「通いの場」に介護予防効果 県調査、健康悪化の回答低率

 地域の公園や公民館で趣味や体操を楽しむ「通いの場」に参加する高齢者は、参加しない人より健康が悪化したと感じる割合が低い―。県は、岡山市内で7日開いた介護予防交流フォーラムで、吉備中央町の65歳以上を対象にしたこんな調査結果を示した。

 県は、通いの場に自力で行くのが難しい高齢者を地域住民のボランティアが誘い出し、送迎する「通所付添(つきそい)サポート事業」を2017年度から吉備中央町で展開。18年12月、現在の健康状態を「とても良い」「まあ良い」「あまり良くない」「良くない」の4段階で尋ね、サポート事業スタート前の17年7月時点の回答と比較した。

 比較可能な1486人を見ると、「まあ良い」が「あまり良くない」に変わるなど悪化した割合は、通いの場に参加していない人が13・4%だったのに比べ、参加した人は4・5%にとどまった。さらに参加した人の半数以上は、80代を中心としたサポート事業の利用者だった。

 調査の分析を担当した千葉大予防医学センターの近藤克則教授(予防医学)はフォーラムで「より高齢な方でも連れ出すことによる(介護予防の)効果が確認できた。この取り組みを岡山モデルとして全国に発信してほしい」と話した。

 サポート事業の活動発表もあり、吉備中央町をはじめ備前市、矢掛、奈義町の住民ボランティアらが具体例を紹介した。

(2019年10月08日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

カテゴリー

PAGE TOP