糖尿病の診断迅速化 11年ぶり基準変更 7月から施行 岡山で学会始まる

専門医ら約1万人が集った日本糖尿病学会第53回年次学術集会

 日本糖尿病学会の第53回年次学術集会が27日、岡山市北区駅元町の岡山コンベンションセンターなど、同市内7会場で始まった。糖尿病の診断基準を11年ぶりに変更し、これまで補助的な検査項目だった「Hb(ヘモグロビン)A1c」を主な項目に加え、迅速な診断につなげることを正式に決めた。7月1日から施行する。

 従来の空腹時などの血糖値3項目に加え、過去1〜2カ月の血糖の状態を表す「HbA1c」を主な検査項目に取り入れる。これまでは1項目で数値が高いと日をあらためて再検査し、再び基準値を超えると糖尿病としていた。新基準では血糖値が高く、HbA1cが6・1%以上ならば1回の検査で糖尿病と診断する。

 会見した門脇孝理事長は「糖尿病は世界でまん延しており、深刻さを増している。研究の推進や人材育成などで患者を減らせるよう努めたい」と話した。

 国内外から約1万人が集まった学術集会では、同集会長の加来浩平・川崎医科大教授が「糖尿病管理のあり方を考える」と題して講演。「糖尿病は進行性の病気で、血糖数値などが悪化してから治療を始めても遅い。早期発見と、適切な薬による治療を早く始めることが重要」とした。

(2010年05月28日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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