マダニ感染症「ネコから」注意を 県獣医師会がHPで呼び掛け

SFTSの原因となるウイルスを媒介するマダニの一種・フタトゲチマダニ(県環境保健センター提供)

 マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、岡山県獣医師会は全国で複数例の報告があるネコから人への感染にホームページを通じて注意を呼び掛けている。夏場はマダニの動きが活発化する時期であり、同会は「ネコを介しての感染は、あまり周知されていないだけにリスクがある。正しい知識を学んでほしい」としている。

 SFTSは森林や草地などに生息するマダニ(成虫で3~8ミリ)が媒介するウイルス感染症。6~14日の潜伏期間後に発熱や嘔吐(おうと)、下痢などの症状が出て、亡くなることもある。県内では2013年からこれまでに確認された患者は12人となっている。

 人への感染の多くはマダニからだが、全国的には動物を介してのケースも散見される。中でもペットとして接触する機会があるネコが目立ち、県内でも18年に初めて感染事例が報告された。広島県では今年6月、治療中のネコの体液に触れた30代の男性獣医師が発熱や下痢などの症状を呈し、一時入院が必要となった。

 岡山県環境保健センターの木田浩司ウイルス科長によると、夏はマダニが非常に多くなる時期。SFTSウイルスはネコに対する病原性が高いことも分かっており、「病気や具合が悪そうにしているネコには近づかないでほしい」と強調する。

 県獣医師会はホームページでネコを介した過去の感染事例を紹介するなどして注意喚起しているほか、SFTSに関する厚生労働省のQ&Aサイトへのリンクも掲載。「ペットのダニ駆除を確実に行うとともに、特にネコについては屋内飼育を徹底し、屋外に放すことは控えてほしい」としている。

(2020年08月23日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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