第45回 しげい病院 病病連携 倉敷中央と役割分担 “継ぎ目ない医療”提供

しげい病院のリハビリルーム。倉敷中央病院からの転院が多数を占める

 岡山県西部の急性期医療の拠点・倉敷中央病院は目と鼻の先。回復期の医療を主体とするしげい病院は、倉敷中央と密接に連携し“継ぎ目のない医療”を提供している。

 倉敷中央から毎年二百人以上の転院を受け入れている。多いのは脳卒中と 大腿骨 ( だいたいこつ ) 頚部 ( けいぶ ) 骨折のリハビリ。しげいの看板の一つである透析の患者もいる。救急や手術などは倉敷中央が担い、その後のリハビリはしげいで―という役割分担だ。

 スムーズな引き継ぎには看護師が大きく貢献している。二〇〇七年春から行っているのが患者への事前訪問。転院の前日に、受け入れ病棟の看護課長が倉敷中央のベッドサイドまであいさつに出向く。

 「病院を変わるのは患者さんには不安。少しでも気持ちが和らげば」。入院患者の七割が倉敷中央からという回復期リハビリ病棟の高山一美看護課長は話す。患者と接して病状、認知力、性格、要望などを知っておくのは、看護をする側にとっても重要という。

 両病院の看護部は月一回、合同ミーティングを開催。ソーシャルワーカーも含め十五人ほどで転院後の経過報告や看護方法の検討などを行い、一層の連携強化に努めている。

 松江佳子看護部長は「患者さんとも、倉敷中央のスタッフとも、顔の見える関係づくりを心掛けている。引き継ぎ書類では分からない細かなことも、お互い伝えられますから」と話す。

(2009年03月09日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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