倉敷平成病院の救急棟完成 手術室拡張、処置スペース増

広くなった手術室。パーキンソン病などの脳疾患や、慢性の痛み治療を目的としたニューロモデュレーション手術、脳動脈クリッピング手術、人工関節手術などに対応する。医療機器や電源といった周辺設備の充実も図った

11月から稼働予定の救急室は従来の2・7倍に拡張。処置スペースは2床から3床に増やした

外来の待合スペース。明るくゆったりとした空間を確保した。現在行われている改築工事が完成すれば、座席数は約240席、診察室は23室となる

4階の会議室。院内の会議や勉強会だけでなく、近隣病院同士の連携や、地域住民向けの市民公開講座での利用も検討している

 倉敷平成病院(倉敷市老松町)が、病院敷地内に建設していた救急棟が完成した。広くなって機能が向上した手術室や外来診療部などが、9月下旬から順次稼働している。

 救急棟は鉄骨4階建て延べ約3890平方メートル。白壁が映える「倉敷」の町並みをイメージし、白を基調とした落ち着いたデザインとした。1階が救急室(11月から稼働)と外来スペース、2階には手術室と中央材料室、内視鏡室、3階は医局とスタッフルーム、4階には会議室を設けた。2019年3月から工事していた。

 1階の救急室は、従来の42平方メートルから114平方メートルとし、2・7倍に拡張。処置スペースを2床から3床に増床した。外来は、現在改築工事が行われている既存部分と来年1月にはつながり、従来の2倍近いスペースを確保する。診察室は23室に増やし、待合フロアの座席も100席程度増やして約240席とする。

 2階に設けた手術室は従来の5倍の広さとなる750平方メートルで、4室分を確保した。当面は3室を使用する。1階の救急室、既存棟2階の入院病棟と連結させ、緊急手術や周術期管理に適切に対応する。内視鏡室は2室に増設。検査待ちの患者用に個別待合室(トイレ付き)3室も設けた。

 4階の会議室は、市民公開講座など地域向けの使用も検討している。

 倉敷平成病院は「今回の施設整備で、手術室や救急室など各スペースは一段と広く、使いやすくなり、機能も向上した。スタッフの働く環境の向上にも努めた。地域の皆さまには、これまで以上に安全・安心で高度な医療を提供していきたい」と話している。

(2020年10月19日 更新)

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