コロナ禍の医療オンラインで講演 岡山大大学院の頼藤教授ら

Zoomを使った講演会で新型コロナ対策の徹底を呼び掛ける頼藤教授

 新型コロナウイルス禍での地域医療について考える講演会が5日、オンラインで開かれ、岡山大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が現状を報告するとともに感染拡大防止に向けた対策の徹底を呼び掛けた。

 頼藤教授は、新型コロナの流行とともにそれ以外の感染症や呼吸器、循環器系疾患の患者の死亡が減っているとのデータを示し「マスク着用や手指消毒といったコロナ対策が寄与している」と分析。一方で、自損行為で救急搬送される女性が増えているとして「非正規で働くことの多い女性に対する解雇や雇い止めが影響している可能性がある」と指摘した。

 クラスター(感染者集団)に対応する岡山県の専門家チームメンバーとしての経験を踏まえ、コロナ対策の徹底をはじめ、症状がある場合は仕事を休める環境整備や受け入れ医療機関のスタッフの負担軽減なども訴えた。

 総社市が設置する感染症専門家会議で座長を務める長崎大熱帯医学研究所の山本太郎教授と、順天堂大の樋野興夫名誉教授の講演もあった。

 地域医療分野の連携推進などに取り組む日本地域医療連携システム学会などが主催。ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を通じ、県内の医療、行政関係者ら約60人が聴講した。

(2020年12月05日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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