コロナ患者「少しでも多く救う」  津山中央病院・藤田医師

津山中央病院で新型コロナウイルス関連の電話対応に追われる藤田浩二医師=25日、津山市

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く年末年始、病院では感染症科医が休みなく患者の受け入れ態勢を整えている。岡山県北部で唯一の感染症指定医療機関、津山中央病院(津山市)の藤田浩二医師(44)は「疲れがないといえばうそになるが、少しでも多くの人を救いたい」と意気込んだ。

 人口減少が進む地域で“最後のとりで”となる病院。大みそかや三が日も例年通り救急対応するが、今年はコロナの分だけ緊張感が増す。「ただの風邪や肺炎と思われても判断は慎重になる。年末年始はいつも忙しいが、昨年までとは大きく違う」と藤田さんは話す。

 2人の感染症科医は秋から出ずっぱり。診療に加え、他の病院や県との患者移送の調整、院内のマニュアル整備作業にも追われ、携帯電話はひっきりなしに鳴る。

 10月に感染症とは別の病棟で集団感染が発生。コロナ患者用の病床を8床から22床に増やしていたが院内の患者でみるみる埋まり、近隣からの重症患者を断らざるを得なかった。「役割を全うできなかった」と唇をかむ藤田さん。この冬は重症者を全て受け入れるつもりで準備を進めた。

 特に高齢患者の容体急変を警戒しており、人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使う事態にも備える。「プロとして自分たちにしかできない仕事をやり遂げたい」と藤田さんは言い切った。

(2020年12月30日 更新)

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