倉敷成人病センター新棟完成 ロボット手術、眼科充実

2階の「ロボット先端手術センター」では、内視鏡手術支援ロボットダヴィンチの最新型2台が稼働する。倉敷成人病センターは2013年、岡山県内の民間病院としては初めてダヴィンチを導入。婦人科、泌尿器科で高い診療実績を持つ

1階は包括的ながん治療を行うフロアとなる。放射線センターには高精度の放射線治療装置を導入。乳がんや子宮頸(けい)がん、前立腺がんなどさまざまながんに対する根治治療と、痛みを和らげる緩和治療にも活用する

4階のアイセンター病棟。硝子体(しょうしたい)の手術を受けた患者はうつむきの姿勢を保たなければならないため、部屋番号は足下にも設置。視力が弱っている患者にも見やすいよう、数字が光る

アイセンターは、2階に周術期ラウンジと専用手術室、3階が外来、4階には病棟が入っている。六つの診察室が並ぶ外来は広々とした、落ち着いた空間となっている

放射線センターでは前立腺がんに対する「密封小線源治療」を開始する。岡山県内では岡山大学病院に続いて2施設目。長さ4・5ミリの放射性物質を前立腺内に挿入し、がん細胞を攻撃する

 今夏、設立50周年を迎える倉敷成人病センター(倉敷市白楽町)の新棟が1日開院した。婦人科・泌尿器科を中心に身体への負担が少ない低侵襲手術のさらなる強化を図った「ロボット先端手術センター」、さまざまな眼科疾患に総合的な治療を行う「アイセンター」を新設。放射線治療エリアも新たに設け、抗がん剤治療、手術と合わせて包括的ながん治療・サポートに当たる。透析センターも拡大移転した。鉄骨6階建て、延べ約1万4500平方メートル。2019年5月、センター棟の東隣に着工し、20年12月に完成した。センター棟とは2カ所の渡り廊下でつながり、一体的な使用ができる。新棟の概要を写真で紹介する。

海外にもクリニック

 倉敷成人病センター(269床)は1971年に設立。創立者である須原銀兵衛が68年、倉敷美観地区近くに開業した須原外科が前身となる。増改築を重ね、73年に産婦人科、80年に泌尿器科、81年に小児科、99年には眼科を開設するなど診療科も増やしてきた。2004年に現在のセンター棟、06年にクリニック棟が完成した。海外にも早い時期から目を向け、1983年のシンガポールを皮切りにロンドン、上海にクリニックを開業している。

(2021年02月01日 更新)

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