越境救急搬送 オンラインで初訓練 津山中央病院と兵庫・作用消防署

救急救命士から送られた負傷者役のけがの画像を確認する前山医師

 西はりま消防組合佐用消防署(兵庫県佐用町)と津山中央病院(津山市川崎)などは16日、県境を越えた患者の救急搬送に関する連携訓練をオンラインで行った。

 訓練は、同署の救急救命士が同病院の医師から指示を受けて医療行為に当たれる仕組みを4月以降に導入するため初めて実施。軽乗用車の運転手が心筋梗塞を発症して単独事故を起こし、同乗者1人とともに負傷したとの設定で、同病院と救急車、佐用共立病院(兵庫県佐用町)をオンラインで結んで行った。

 現場の救急救命士が津山中央病院の前山博輝医師(39)に、けがの部位や心電図を撮影した画像を送信。前山医師は同乗者の血圧が下がっているため、輸液を指示した。

 救急救命士は医療行為を行う際、器具を用いた気道の確保やアドレナリンの投与などには救急救命士法に基づき医師の指示が必要。同署は、年間100件ほど重度の傷病者を津山中央病院へ搬送しているが、現時点で原則として兵庫県内の医師の指示しか受けられない決まりになっている。

 西はりま消防組合によると、医師が県境を越えて救急救命士に指示を出せる仕組みは、全国的に珍しいという。

(2021年03月18日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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