岡山市内に独自の集団接種会場 県が2カ所設置 6月中旬から開始

岡山県独自のワクチン接種会場の設置について説明する伊原木知事

岡山県独自のワクチン接種会場が設置される川崎医科大総合医療センター=岡山市北区中山下

 岡山県は25日、新型コロナウイルスワクチン接種の加速化に向けた独自の集団接種会場について、県南部健康づくりセンター(岡山市北区平田)と川崎医科大総合医療センター(同中山下)に設置すると発表した。6月中旬から医療従事者と高齢者施設の職員を対象に接種を始め、将来的には高齢者を含めた一般住民向けに活用したい考えだ。

 使用するワクチンは、国が21日に承認した米モデルナ製。両会場とも毎日実施し、最大で1日計約1500人の接種を見込む。岡山大病院(同鹿田町)と川崎医科大総合医療センターの協力を取り付け、医師や看護師らの派遣を受ける。

 県内では現在、高齢者への接種が本格化しているが、各市町村は打ち手となる医療従事者の確保を課題に挙げており、万全の感染対策が求められる医療従事者自体の接種が進んでいないことが要因の一つとされている。県によると、23日時点で接種対象となる医療従事者約8万1千人のうち、約1万3千人が1回も接種できていない。

 県はこうした状況を踏まえ、「打ち手を増やすことで市町村の支援につながる」と医療従事者を今回の接種対象にすることを決定。6月中にも対象者全員の接種を終えたいとする。高齢者施設の職員については、後を絶たないクラスター(感染者集団)の未然防止を図るため接種を進める必要があると判断した。

 この日の臨時記者会見で伊原木隆太知事が取り組みの概要を説明し、「打ち手不足を解消するとともに、県全体として接種を進めていきたい」と述べた。

 都道府県独自の集団接種会場は、7月中の高齢者接種完了を目標に掲げる政府が積極的に導入を検討するよう要請。宮城、愛知、群馬県などが既に設置している。

(2021年05月25日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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