歯科麻酔剤アルチカイン 最終治験 岡山大病院、早期国内承認目指す

岡山大学病院

 欧米では既に治療に使われている歯科用局所麻酔剤「アルチカイン製剤」の国内承認に向け、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は1日、最終の臨床試験(治験)を始めた。全国9病院と連携して2022年5月まで取り組み、早期の国内承認を目指す。

 同製剤は、肝臓で分解される麻酔剤と異なり、血中で素早く分解されることから、肝機能が弱っている患者や高齢者らへの治療に適しているという。岡山大病院は16年から医師主導治験に取り組み、安全性や有効性を確認してきた。承認されれば国内では4種類目の歯科用麻酔剤となる。

 最終の治験で連携するのは倉敷中央病院(倉敷市)や九州大病院など。同意した20~80歳の男女70人の歯科治療で使用して分析する。安全性などが確認できれば23年内にも国の審査機関に申請する。

 歯科治療におけるアルチカイン製剤の使用割合はドイツは90%以上、米国は約40%という。岡山大病院の宮脇卓也教授(歯科麻酔学)は「基礎疾患や体質などで適した麻酔剤は異なってくる。選択肢を増やし、安心して治療を受けてもらえる環境を整えたい」と話している。

(2021年06月01日 更新)

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