「先天梅毒」理解深めて 岡山県が啓発チラシ作成

先天梅毒に関する啓発チラシ

 梅毒の妊婦から胎盤を通じて胎児が感染してしまう「先天梅毒」に対する理解を深めてもらおうと、岡山県は啓発チラシを作成した。女性の梅毒患者増加を背景に県内では2019年と20年に各1人が確認されており、不安がある場合は早期発見・治療のために妊娠後期に検査を受けるよう呼び掛けている。

 梅毒は細菌による性感染症で、不特定多数との性的接触や避妊具を用いない性交渉が要因。胎児が感染すれば死産や早産の原因となるほか、出生後も知的障害や難聴などさまざまな影響を及ぼす。チラシ(A4版カラー)では「お腹(なか)の赤ちゃんへの感染率は6~8割」「出生時に症状がなくても、学童期に遅れて症状が出ることもある」といった病気の特徴を記し、母親が適切に治療を受ければ赤ちゃんへの感染を防げる―と説明している。

 3万1千部作り、市町村による母子健康手帳の交付時や各地の産科で配布する。

 妊婦の梅毒感染に関しては通常、妊娠初期に公費による検査が行われるが、「感染直後だと陰性になったり、検査後に感染したりするケースもある」(県健康推進課)という。妊娠後期の梅毒検査は病院や保健所で受けられる。問い合わせは同課(086―226―7331)。

 県内の20年の梅毒患者は162人(男性104人、女性58人)で、人口100万人当たりの患者数では東京都、大阪府に次ぐ多さ。若い女性の感染が増加傾向にあり、同年は女性患者の約8割を30代以下が占めた。

(2021年06月20日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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