コロナ禍 妊娠、育児の悩み深刻化 県助産師会 20年度電話相談

妊娠や出産、育児などの悩みに応じる「助産師コール」のチラシ

 岡山県助産師会は、妊娠や出産、育児の悩みに応じる電話相談「助産師コール」(080―2934―2981、080―2934―2982)の2020年度の利用状況をまとめた。新型コロナウイルス禍の影響で受診や周囲への相談をためらい、状況が深刻化してからの電話が目立つとしている。同会は「ささいなことだと思っても、自分だけで抱え込まず、気軽に相談を」と呼び掛けている。

 総件数は172件(前年度156件)で、内容別(延べ233件)では「母乳が足りているか心配」といった授乳を巡る相談が97件で最多。以下、子どもの発育や発達に関する相談(38件)、しつけなどの子育てに関する相談(31件)、産前産後の心身に関する相談(30件)―が続いた。

 コロナに関連した項目の集計はしていないが、受診控えで乳房の不調を放置したため、母乳が出なくなっていたり、育児や自身の体調の悩みを誰にも言えず、うつ状態になっていたりと、問題が深刻化してからの電話が相次いだという。

 「コロナ禍に妊娠したが、非難されそうで怖い」「里帰り出産をしたら、コロナ禍で県外に住む夫と気軽に会えず、つらい」といった声や、妊婦や母親からの「屋内でできる運動を知りたい」「感染リスクを避けた子どもの遊び場はあるか」との質問もあった。

 必要に応じ、医療機関や助産院、市町村の保健センターなどにつないだ。大井伸子会長は「感染対策で病院や自治体から指導を受ける機会も減っている。できる限り不安を解消するよう、各機関と連携してサポートしていきたい」とする。

 助産師コールは13年度にスタートし、平日午前10時~午後4時に対応。妊娠や子育て以外にも、思春期や更年期の悩み相談を受け付ける。相談は無料で、通話料は相談者負担。昨年6月からは、妊婦とパートナー向けのオンライン無料講座「プレママ&プレパパクラス」も行っている。

(2021年08月11日 更新)

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

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