副反応、接種部位の痛み9割以上 モデルナ製1回目 岡山大中間報告

 米モデルナ製新型コロナウイルスワクチンの副反応を調べている岡山大は、1回目接種後について中間報告をまとめた。接種した人の9割以上が接種部位の痛みを訴え、2割超には発熱があった。対象は異なるものの、出現頻度は県などが独自に調査した米ファイザー製ワクチンに比べて高くなっている。

 1回目接種を終えた同大の教職員と学生計3794人が回答。分析は県調査分も担当した同大大学院の頼藤貴志教授(疫学・衛生学)が行った。

 それによると、接種部位の痛みを訴えた人は91・5%に上り、腫れも39・6%いた。「モデルナアーム」と呼ばれ、接種直後ではなく接種後7日目ごろに痛みや赤みが現れるモデルナ製特有の副反応とみられる症状も各2~3%前後確認された。ほかは筋肉痛59・4%、倦怠感(けんたいかん)48・5%、頭痛29・7%、発熱23・0%―などだった。

 発熱した人の割合を年代別にみると、20代(26・2%)や20歳未満(25・3%)で高かった一方、60代以上(5・3%)ではその5分の1程度にとどまるなど、若いほど報告が多い傾向にあった。

 ファイザーを接種した県内5医療機関の医療従事者(延べ8599人)に県などが行った調査の結果とも比較した。同じ1回目接種後の発熱はファイザー(2・7%)よりモデルナの方が8・5倍多かったほか、倦怠感(ファイザー24・3%)も約2倍の開きが出た。副反応の出やすい20代以下に絞っても傾向は同様で、モデルナの方が割合が高かった。

 頼藤教授は、解熱鎮痛剤を予防的に使用する医療従事者が多く結果に影響した可能性があるとしながらも「海外や国内の先行報告でも同じようにモデルナの方が副反応の割合は高い傾向にある。接種の判断や準備の参考にしてほしい」と説明。「副反応は数日で落ち着く。接種すれば重症化を防いだり感染をしにくくしたりする効果が得られ、メリットの方が大きい」とする。

 同大では、モデルナの2回目接種後の副反応についても調査、分析し、ファイザーとの比較と合わせた最終報告を公表する予定という。

(2021年08月12日 更新)

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