ワクチン最前線「英アストラゼネカ製」 県会場でも11日使用開始

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、米ファイザー、モデルナ製に続く国内3例目のワクチンとなる英アストラゼネカ製の使用が、各地で始まった。県が岡山市内に独自に設けている接種会場でも11日から使われる予定で、県はホームページなどで接種希望者の申し込みを受け付けている。

 厚生労働省は5月に特例承認したが、副反応としてごくまれに血栓症が生じるとの報告が海外でなされ、接種を見送っていた。その後、海外での接種実績が増え、国内の関連学会がこの血栓症に対する診断や治療についてまとめた手引を公表したことから、7月末に使用を認めた。

 接種対象は原則40歳以上の希望者。40歳未満でも、アレルギーなどでほかの2社製のワクチンを打てない18歳以上は接種が可能だ。厚労省によると、発症予防効果は70%程度。通常は1回目を打った後4~12週間、最大の効果を得るためには8週以上の間隔を開けて接種することが望ましい。十分な免疫が得られるのは2回の接種完了から15日以降とされている。

 先行した2種のワクチンは自治体の接種ペースに供給量が追い付かない事態となっている。政府はアストラゼネカ製を選択肢に加えることで、重症化リスクが問題となっている若い世代を中心に接種を後押ししたい考えだ。

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 「始まるワクチン接種」(5月)、「ワクチン接種の今」(6、7月)に続く企画の第3弾。県内のワクチン接種の現状を取り上げる。

(2021年09月05日 更新)

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