ワクチン最前線「デルタ株」 接種で重症化リスク低減

 今も続く新型コロナウイルスの流行第5波で、主流となっているのがインド由来の変異株・デルタ株だ。

 国立感染症研究所や米疾病対策センター(CDC)によると、デルタ株は世界130以上の国・地域で確認されている。感染力は第4波で猛威を振るった英国由来の変異株の1・5倍、従来株との比較では約2倍に達するとされ、最も感染力の強いウイルスの一つとして知られる「水痘(水ぼうそう)」に匹敵するとの見方もある。感染者1人がほかの8~9人程度に広める恐れがあるという。

 岡山県内では7月2日に初めて確認されて以降急拡大。これまでに200人(3日時点)の感染が確定しているが、県の推計では実際にはさらに多く、現在の感染者の大半はデルタ株に置き換わっているとする。

 その感染力の強さから、国が感染拡大防止の「切り札」と位置付けるワクチンの接種完了後に陽性となる「ブレークスルー感染」も各地で相次ぐ。県のまとめによると、7月1日~8月30日の県内の新規感染者5654人は、大半が未接種だったが、5%に当たる290人は2回の接種を終えてから十分な抗体ができる2週間以上が経過していた。

 とはいえ、ワクチンを接種していれば、感染しても重症化や死亡のリスクを一定程度防ぐ効果が得られる事実に変わりはない。県や専門家は、積極的な接種を推奨し、接種後も当面はマスク着用など基本的な感染対策を継続するよう呼び掛けている。

(2021年09月09日 更新)

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